恋をするならきみがいい。


先輩が卒業して私たちは高校2年生になった。

笹原とまた同じクラスになって嬉しいはずなのに私の胸はまだ痛い。だって笹原がいまだに窓の外をぼんやりと見てるから。

先輩がいつも友達と座っていた中庭のベンチや美味しいよ、と笹原に薦めていたつぶつぶ入りのオレンジジュース。

それを飲むたびに切なそうな顔をして元気がない。


笹原が未練たらしいとは思わない。

だって簡単に新しい人を見つけたり、

別に先輩のことなんて大して好きじゃなかったとか、想いを断ち切るために開き直るヤツなら、

私もこんなに長く片想いなんてしてない。


笹原がなんでも一生懸命で、
まっすぐで、曲がったことは嫌いで、

すごくすごく、綺麗な心を持ってる人だから私は好きになった。

< 5 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop