これを愛と呼ばぬなら
依里子さんに案内され、更衣室で制服に着替えた。渡されたのは、上品なニット素材の切替ワンピース。上半身は白、スカート部分は黒で、スクエアネックの襟ぐりと袖口にグレーのパイピングが施してあるシックなデザインだ。
「うん、よく似合ってるわ」
「本当ですか?」
依里子さんに言われて、ホッと胸を撫で下ろした。園では動きやすいジャージやストレッチパンツばかりだったから、鏡の中の自分に違和感しか感じなかったのだ。
初日は、依里子さんが付きっきりで指導に当たってくれた。緊張しつつも、教えられたことを一つひとつ何とかこなしていく。
来客が途切れた隙に、メモを取っている時だった。
「あら、社長だわ。美沙ちゃん、顔を上げて」
「はいっ」
依里子さんに言われ、慌てて体を起こす。
「……えっ?」
数人に取り囲まれ、数メートル先を歩く人物を見て、思わず声を漏らした。
「うん、よく似合ってるわ」
「本当ですか?」
依里子さんに言われて、ホッと胸を撫で下ろした。園では動きやすいジャージやストレッチパンツばかりだったから、鏡の中の自分に違和感しか感じなかったのだ。
初日は、依里子さんが付きっきりで指導に当たってくれた。緊張しつつも、教えられたことを一つひとつ何とかこなしていく。
来客が途切れた隙に、メモを取っている時だった。
「あら、社長だわ。美沙ちゃん、顔を上げて」
「はいっ」
依里子さんに言われ、慌てて体を起こす。
「……えっ?」
数人に取り囲まれ、数メートル先を歩く人物を見て、思わず声を漏らした。