これを愛と呼ばぬなら
「社員さん達も、新しい受付さん可愛くて愛想がよくていいねって褒めてくださるのよ。私も嬉しいわ」
「依里子さんのおかげです。優しく教えてくださるので」
「それは先輩として当然! でも、ちょっと心配なこともあるのよね……」
依里子さんが、ほんの少し顔色を曇らせる。なんだろう? 私、なにか失敗した?
「依里子さんそれって……」
「おはよう美沙ちゃん! と駒井さん」
依里子さんとの話は、男性社員の声に遮られた。営業部の若手社員だ。
「あ……、おはようございます高橋さん」
毎朝のように声をかけてくれるのは嬉しいのだけれど……。
「ねえねえ、今日の終業後予定ある? 一緒にご飯行かない?」
「え、今日ですか? 今日はちょっと……」
「えー、この間もそう言ってたじゃん。いつなら空いてる?」
なんというか、他の人に比べて距離が近い。今も受付のカウンターにもたれ、こちらに身を乗り出すようにして話している。
「いや、その……」
……困った。どう断れば角が立たないんだろう。
「高橋さん」
考えあぐねていると、隣から依里子さんの冷ややかな声が響いた。
「依里子さんのおかげです。優しく教えてくださるので」
「それは先輩として当然! でも、ちょっと心配なこともあるのよね……」
依里子さんが、ほんの少し顔色を曇らせる。なんだろう? 私、なにか失敗した?
「依里子さんそれって……」
「おはよう美沙ちゃん! と駒井さん」
依里子さんとの話は、男性社員の声に遮られた。営業部の若手社員だ。
「あ……、おはようございます高橋さん」
毎朝のように声をかけてくれるのは嬉しいのだけれど……。
「ねえねえ、今日の終業後予定ある? 一緒にご飯行かない?」
「え、今日ですか? 今日はちょっと……」
「えー、この間もそう言ってたじゃん。いつなら空いてる?」
なんというか、他の人に比べて距離が近い。今も受付のカウンターにもたれ、こちらに身を乗り出すようにして話している。
「いや、その……」
……困った。どう断れば角が立たないんだろう。
「高橋さん」
考えあぐねていると、隣から依里子さんの冷ややかな声が響いた。