【短】恋愛ピュアリズム
なんで、こんなに優しいかずちゃんの事を好きにならないのかな、私。
なんで、あんなに冷たい態度ばかりを取る尚斗のことが好きなのかな、私…。
優しくしてくれる人なら、沢山…この手から零れ落ちるほどいるのに。
私はやっぱり、尚斗じゃないとダメで。
尚斗が他の女の子に笑顔を向ける度に、苦しくなって。
尚斗が私以外の女の子と仲良くしてるのを見る度に、益々素直になれなくなっていく。
「じゃぁ、かずちゃんのお言葉に甘えてもいい?」
「いいって。でも、あいつにゃしっかり罰を受けてもらうぞー。お前泣かした罰な」
かずちゃんは、私が尚斗の事を好きだって、昔から知ってる。
それでいつも相談に乗ってもらったり、こうしてフォローしてもらったりしてるんだ…。
「ほら、紗綾。あいつが見てない内に行けよ」
「うん」