きみの見える景色には桜とわたしであってほしい。
「仕方ないなぁ、そこまで言うんだったら、使ってあげる。ほら、貸しな」


「やっぱやーめた。お前みたいなのに俺のシャーペンはもったいない」


「ご、ごめんなさいぃぃっ!使わせていただきますっ」


「ん、そこまで言うんだったら使わせてやる」


まるで、約1年分のラグなんてなかったように、わたしたちの会話はスムーズだった。


この感覚が好きだった。


ずっと、心のどこかで求めていた。


ああ、やっぱり目の前にいる君が好きだ。


くしゃ、っと笑う顔も、意地悪から少しだけ覗く優しさも、すべて。


声、低くなったね。


背、ぬかれちゃってる。


新しい君も、すべて。


やるじゃん、わたし!


彼にバレないところで、小さくガッツポーズをした。


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