いちごミルク、片想い。
そんなとき、どこからか上履きの擦れる音。
その足音は、次第に大きくなってきて
そしてーー
私の目の前でピタリ止まった。
え、と目を見開く私に目の前に立つその人は私の顔を覗き込むなり、フッ、と優しく笑った。
「ほら」
彼によって投げられたソレは、ふわり、宙を舞い、弧を描いて。
「…わっ、」
そして私の手元にすっぽりと落ちてきたソレは、紛れもなく、私の大好きないちごミルク。
「…え」
ひんやりと伝わるいちごミルクの表面には、
太陽の光に反射して、水滴がキラキラと輝く。
「やるよ」
「え、でも」
「いーよ気にしないで。貰って」
「で、でもっ……」
「いいから。
そこは素直に礼言うもんじゃね?」
「あっ!
…あ、ありがとう、ございますっ…」
「ハハッ。うん」