いちごミルク、片想い。
ーードキン。
その、瞬間。
私に向けられたその笑顔に。
確かになにかが、弾く音がして。
「おーい。行くべー」
「おーっ。じゃあな。もう落とすなよ」
ーーストン。
なにかが、落ちた感触さえして。
「なあ、お前さっきなんだったの?」
「なにが?」
「全速力でいちごミルク買いに行ってさ。
お前いちごミルク嫌いじゃなかったっけ?」
ーーそして、キラキラと。
彼を捉えた私の目には、
星がこぼれ落ちるように瞬いて。
きっとこの正体は
ーー恋、だ。