放課後の図書室で君と
指摘されて、思わず本で顔を隠した。


顔がさらに熱くなるのを感じる。


なんだか恥ずかしくて、私は勢いよく席を立った。


「こ、これ、借ります‥‥‥!」


「お?おお」


急いで図書カードに名前を書いて、君に渡す。


私は鞄と本を持って、少し駆け足で図書室の出口に向かった。


「おい!」


ドアに手をかけた瞬間、君からの声に身体が止まった。


少し振り向くと、君の満面の笑みが私の視線を釘付けにした。


「また明日、来てくれよな!」


少し冷めた熱がまた上がってきた。


「う、うん!また明日‥‥‥!」


君の笑顔に吊られて、私も少し微笑んで言った。


これが、初めの一歩。
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