【短】片想いのはじまりは、
『好き』
学校の帰り道、突然足を止めた。
視線の先には空を見上げる人物。
サラサラな黒髪が風に揺られて、目を細める仕草に少しだけ胸が高鳴った。
背がかなり伸びた気がする。
こんな遠くからでも分かる。
だって、ずっと見てきたから。
中学を卒業するまで、ずっと。
君は、知らない。
私が、君に恋をしていたということを。
君は私の初恋だったんだよ。
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