【短】片想いのはじまりは、
目が合っただけで嬉しくて、恥ずかしくて、何度顔を俯かせたか。
そんな君は私と目が合ったことすらも覚えていないと思うんだ。
だって、私地味だったから。
明るく太陽のような君とは正反対で、私は生い茂った草の影に隠れているようなそんな存在だから。
そんな私だから告白するなんて考えることもなかった。
ただ、遠くから眺めてるだけで十分幸せで。
よく恋してる女の子たちは、〝付き合いたい〟とか〝手を繋ぎたい〟とか〝キスしたい〟とかそんな話を聞いてきたけど、私はそんな欲はあまりなくて。
君の笑ってる顔を見ていたい、ただそれだけでよかった。