【短】片想いのはじまりは、
やだ、私。
好きな気持ちが溢れすぎて幻聴が……。
「春川さんまって!!」
足を止めた。
止めざるを得なかった。
だって。
「春川さんだよね?俺のこと知って……ないか。あ、ごめん。呼び止めちゃって」
私の名前を呼んだから。
振り向くとそこには困った様子の長山くんがいた。
やっぱりかっこよくて、背がまた高くなったなって感じた。
「あの、俺の顔になんか付いてる?」
「っ、ううん!な、なんにも、つ付いてない、よっ」
ああ。もう今すぐ飛び去りたい。
噛みすぎだよ私っ。