はちみつ、ちょっとだけ(完)
一ヶ月前に この見つけて 嵐さんに
一目惚れしてから ずっと通いつめてる。
たまたま…だった、この店に出会ったのは。
彼氏に一方的に振られて、
世界が、周りが、すべて牙に見えた。
「お前が悪い」
今思えばそんなことないって分かるのに
好きだったから受け止めて グサッと刺さった。
そんな世界から 逃げたくて 逃げたくて
隠れてしまいたくて、
雨が降ってるのも気にせずに ただ走った。
そして この店の前に立ってた。
暖かくて まわりは誰もいなくて
寂しかった心に溶け込んでくるように見えて
吸い込まれるようにそこの店に入った。
今と同じ心地の良い 鈴の音。
優しく 暖かい ピアノの音 と 甘くもない 苦し
くもない ふわふわとした匂いと 優しく笑いか
けて そっとタオルを持ってきてくれた
この店に 店員に すべてに 運命を感じた。