はちみつ、ちょっとだけ(完)

一ヶ月前に この見つけて 嵐さんに
一目惚れしてから ずっと通いつめてる。


たまたま…だった、この店に出会ったのは。


彼氏に一方的に振られて、
世界が、周りが、すべて牙に見えた。


「お前が悪い」
今思えばそんなことないって分かるのに
好きだったから受け止めて グサッと刺さった。


そんな世界から 逃げたくて 逃げたくて

隠れてしまいたくて、

雨が降ってるのも気にせずに ただ走った。


そして この店の前に立ってた。


暖かくて まわりは誰もいなくて

寂しかった心に溶け込んでくるように見えて

吸い込まれるようにそこの店に入った。

今と同じ心地の良い 鈴の音。

優しく 暖かい ピアノの音 と 甘くもない 苦し

くもない ふわふわとした匂いと 優しく笑いか

けて そっとタオルを持ってきてくれた

この店に 店員に すべてに 運命を感じた。






< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop