へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


「先生、私なりにもルキのことを調べてみます!だからひとつお願いがあるのですが、明日の休日に外出許可をもらえますか?マーグレーンに行って、私も聞き込みをしたいんです」



マーグレーンは大都市というだけあって、国中から観光客が集まってくる場所だ。

大きなデパートがいくつもあったり、世界一展示品が多い美術館や、世界一本の冊数が多い図書館もあり、そのぶん利用者も多い。

街のはずれには10階建のマンションと並ぶ大きさの、レンガを積み上げてつくられた城にも見える巨大な時計台があり、その時計台を見たさに観光客が押し寄せてくる。



有名なのは時計台だけではなくて、魔法使いが最も多く住む街としても知られるマーグレーンには、ペットとして密かにブームしている魔獣が高値で売られていたり。

目の前で魔法を見せてくれるパフォーマー、魔法でつくられた生活雑貨など、マーグレーンでしか見れないものが数多くある。

そんなマーグレーンは私が生まれ育った大好きな街でもある。



世界中の人が集まるマーグレーンで調査を諦めることなく続けていれば、いつかルキを知る人に巡り会えるかもしれないと思った。



「そうしてもらえると助かるわ、メイベル。外出許可を出します。ではマーグレーンでの調査は、あなたにお願いするわね」

「そういうことなら、俺も一緒に行くよメイベル。校長先生、俺の方も許可をお願いします」

「わかりました、ルキ。門限の18時までには必ず寮へ戻るようお願いね」

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