へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「えっ?なになに、あんたたちついにデートするような仲になったの?」
校長室から出て教室に入ると、出入り口のすぐそばの席に座っているエイミーを見つけた。
私を見るなり「大丈夫だった?」と問いかけてきたエイミーに、さっそくルキとふたりでマーグレーンに行くことになったと話した。
賑わう教室の中でエイミーは興奮気味に、でも声量を落として聞き返してくる。
私は熱くなってきた顔を、ブンブンと横に勢い良く何度も振る。
「違う違うっ!これはデートじゃないからっ!あくまでも調査するだけだから!」
と言いながらも、実はほんの少しだけ…デート気分を味わいたいな、なんて思ってはいたけれど。
これはれっきとした調査なのだ。
浮かれている場合じゃないことはわかっている。
わかってはいるのだけれど…。
端から端まで離れた窓際の席に座り、クラスメイトと談笑しているルキの横顔がちらりと視界に入るたびに、胸の鼓動がうるさくなってくる。
「なーにが違う、これは調査、よっ。顔を真っ赤にさせちゃってさぁ。あーあ、いいなぁ私もルキくんとデートしてみたい」
「もうっ‼エイミーはライザがいいんでしょっ!」