へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


「ルキは絶対にだめよ」と口を尖らせながら、頬を膨らませているエイミーの左肩をバシンと叩いた。

エイミーは何かを言い返してくると思いきや、はっと見開いた目を私の背後で止めた。



「ん?どうしたのよ、エイミー?」



エイミーの視線を辿るようにして振り返った。



「おい、俺がどうしたって?」



するといつからそこにいたのか、鬼の形相のライザが私を冷たく見おろしているではないか。



げげっ……。



ライザのすぐ後ろには「万年最下位の分際で、まさかライザの悪口か?」と意地悪く笑うトールボットもいる。



あぁ、ライザの目が怖い。



「あー……いやぁ、悪口なんて言ってないよ。ねぇ、エイミー?」

「うっ、うん!相変わらず凄いなぁって話しだよ?ね、メイベル?」



笑顔を引きつらせながら右側に目だけを向けると、同じく表情を強張らせたエイミーと目が合った。



「ライザ。黒板にこの前の実技試験の順位が張り出されているのを見た?」



すると私とライザの間を割くようにして、ライザの双子の妹のサビーナが会話に入ってきた。



サビーナな時々こんなふうに、私がライザに威圧されているのを目撃しては、助けてくれることがあるんだ。

と言ってもそれは気まぐれで、見て見ぬふりをしているときも多々あったりするんだけど。

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