へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


そこに書かれていた合格者は、27人のうち18人。

私を含むあとの9人は、制限時間内に魔獣を撃ち落とすことができなかったから、名前すらも書かれていなかった。

『最下位』と書かれることよりも、それはそれで凹む。



まぁ、どうせ1番はまたライザだろう。

ライザは実技試験、筆記試験と何をとっても常に1番なのだからわざわざ順位表を見なくてもわかる。



ライザはいいな。

私と違って技術、知識とともに長けていて、魔力だって豊富にあるから使える魔法も多い。

羨ましいな、なんて思いながらもその横顔をちらりと見あげてみた。



「チッ……なんだよこれ、気に入らねぇな。この俺が1番じゃねぇってどういうことだよ」



どうせまた1番だろうから、てっきりニヤニヤしているのかと思いきや、順位表を鋭く睨みつけていたから慌てて目を背けた。



って、まてよ……。

ライザが1番じゃないって?

魔獣までつくりあげて、あっという間に5匹の魔獣を消したっていうのに?



じゃあ1番は誰なの?



自分の席に向けていた足をまた黒板へ返し、ライザの隣に戻った私は食い入るように順位表を目にした。

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