へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


席に座ったままのルキの前にライザが立つと、カーラはそそくさとルキの席から離れていく。



ライザ……ルキになにをするつもりなの?

もしかして魔法で攻撃をするつもりなんじゃ……⁉



「まっ……まってライザ‼」

「おい、クソ転校生っ‼俺と勝負しろっ!」



ライザがルキの机を右手のひらで、バシンと力強く叩いた。



よかった…。

攻撃をするつもりじゃないのか…。



ルキは一向に動じることはなくて、牙を剥き出しにする猛獣のようなライザを前にしても至って冷静だ。



「それはなんのための勝負なんだ?」



ああ……ルキ、大丈夫かな。

ライザに睨まれているっていうのに、いつものように笑顔を向けたりしているけれど。

ルキの笑顔がライザの神経を逆なでしてしまうんじゃないかと、はらはらして仕方がない。



「そんなの決まってんだろうが。俺かお前、どっちが魔法が上手いか決めるんだよっ‼」

「俺と君の間に優劣をつけてどうする?」

「んなもん、今までずっと1番はこの俺だったからだろ‼お前が1番になったことはまぐれだって教えてやるんだよっ」



「俺は順位なんてどうでもいい」と堂々と放たれたルキの言葉が、ライザの怒りのボルテージをよけいに煽る。



「テメェ……俺の怖さを嫌ってほど思い知らせてやるからな‼今日の放課後、第一実技室に来い!絶対に逃げたりなんかすんなよっ‼」

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