へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


背が低くて細身で、小麦色の肌に黒い髪はまるで綿あめのようにモサモサしているローリーは、クラスのムードメーカーだ。

明朗で社交的なローリーは誰とでも仲良くできることや、場を明るくさせる能力はピカイチ。

けれどその反面、気分が落ち込んでいるときや、イラッとしているときにも空気を読まずバンバン話しかけてきたりするもんだから、うざいときも多々ある。



「別にケンカってわけじゃないけど…」

「まぁまぁそんなにムスッとすんなって。ほらほら、マンボウみたいな顔になってんぞー!そのちょっと尖った口とかさぁ」

「ぜんっぜん面白くない‼」



マンボウの顔マネでもしていたのか、口をタコのように尖らせているローリーに背中を向けた。

じゃあフグだ、とかなんとか聞こえたけれど決して振り返らなかった。



するとまた、エイミーと目があった。



「まぁメイベルの気持ちもわかるけどね?カーラは積極的すぎるっていうかさ。ルキくんも嫌がればいいのに……って、嫌がってはないのかな?」

「はぁ……そうだね嫌がってはないね」

「ルキくんは優しいから、あからさまに嫌がったりなんかしないか。本当はカーラのこと、どう思っているのかな?」



そんなの知らないよ、と私にしては珍しく語尾を強めて言うと、エイミーはそれ以上なにも言わなくなった。



ルキはカーラのことを……いや、それよりもまず私のことをどう思っているのかな。

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