へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


そんなローリーに続き、私もカップケーキの創作にチャレンジしてみるも大失敗。

サビーナが言うには、味が甘すぎることと生地がベチャッとしていて膨らんでいないし、焦げ目がうすい。

つまり、イメージがちゃんと出来ていないとのことらしい。



お菓子作りは実は好きだから、寮の食堂を借りてサマラさんと、何度かカップケーキを作ったことがあったから、自信はあったのに…。



「うぅ……創作魔法って本当に難しい…」



細かくイメージをしなければならないくせに、イメージをすることにたくさんの時間はかけられないんだもの。

長い時間イメージをしていると、どうしても雑念が入ってしまうから、より速くイメージすることが大事なんだってルキが言っていた。



ならば私が!とはりきって詠唱をはじめたエイミーでさえも、魔法でカップケーキをつくることは難しかったらしい。

お菓子作りなんてしたことがなかったエイミーは、カップケーキの材料すらわからなかったらしく。

サビーナに「それはカップケーキじゃない。卵と小麦色がただ合わさって中途半端に焼かれただけの、食べる価値のないもの」とはっきり言われ。



「はぁ……これならまだローリーのケーキの方がましか」



とエイミーは肩を落としながら「まずい」を連呼しつつ、ぐちゃぐちゃのケーキ?をちびちび食べている。

涙目になっているエイミーがなんだかお気の毒だけれど、あの黄色くてぶよぶよした物体を食べる手伝いはしたくないな…。



「ならお前がつくってみろよー、サビーナ!」

< 125 / 292 >

この作品をシェア

pagetop