へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


「わかってるよ。ライザくんが俺に向かって魔法を放って、俺がそれを防ぎ続ければいいってことだろう?」

「そうだ。どっちの魔力が先につきるか勝負だ。結局のところ、魔力がより高い魔法使いが強いってことだからな。お前がギブアップって叫べば、攻撃の手を止めてやるよ」

「魔力がより高い魔法使いが強い、か。確かにそうだね、魔力が高ければ高いほど、強力な魔法が使えるもんね」



ほっ……、良かった。

ライザはルキのことを、ケガをさせるつもりはなかったみたいだ。

ちょっと安心したけど、それでも高い魔力同士をぶつけ合うのだから、何が起こるかわからない。



そんなことよりも、ドアの前でひとり座り込んでいる場合じゃないか。

今にも決闘がはじまりそう。

こんなところにいたら、ライザの攻撃の流れ弾を喰らいそうだ。



慌てて立ちあがった私は、壁際に集まって声援を飛ばしているクラスメイトたちのそばに走った。



「エイミーっ、本当に決闘なんて大丈夫かな?なんだか怖くなってきた…」

「大丈夫だよ、メイベル。ほら、いよいよはじまるよっ!」

「あぁっ……なんかドキドキしてきた」



ルキは本当に大丈夫なのかな。

もしライザの魔法を防ぎきれなくて、真正面からまともに強力な魔法を浴びてしまえば…。

想像をしただけで身震いがする。



一方でトールボットは「勝つのはライザだ‼いけー‼」と声を上げ、ローリーは「フレー、フレー、ふたりとも!」と、身振り手振りで応援している。

その他にも口々に「がんばれー」だとか「やれー!」だとか、室内は最高潮に盛りあがっている。

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