へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「ごめん、助けたつもりが…なんだか驚かせてしまったかなぁ」
少年は困ったように眉を下げ、差し出した手をおろすと軽やかに立ちあがった。
「……きれい」
少年の輝くような銀髪がきれいだったから、ついついそんな声が洩れた。
顔は小さいのに、足が長くしなやかな体型。
まるで雪のように白いのは手だけではなくて、頬も同じように真っ白。
二重の目は羨ましいほど大きくてきれいで。
筋の通った高い鼻、とくればもうそれだけでも十分に目を引いている。
ひとつひとつのパーツが綺麗な顔立ちの中で、最も私が見惚れてしまったのは少年の瞳だ。
きらきら光るような銀髪と同じような、銀色の瞳。
氷のような冷たさを放つ澄んだ瞳は硝子玉のようで、どこかクールで、けれど奥に優しさを感じるような瞳。
そんな不思議な魅力を放つ瞳を、ひと目見た瞬間に私はすっかり魅了されてしまっていた。
いや……見惚れている場合じゃなかった。
「あなた、いったい何者なの?」
物腰が柔らかくて、悪い人には見えないけれど、なんだかただ者じゃないような気がする。
制服についた枯れ葉を払いながら立ち上がると、睨むような視線を投げた。