へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「えっ、ルキくんに告ったの⁉」
22時の消灯時間が過ぎたあと。
暗闇に満ちた部屋の中、2段ベッドの上段からエイミーの甲高い声が響いた。
「エイミーっ‼声が大きいってば‼」
やっぱり言うんじゃなかったと、大きなため息が洩れる。
寮に戻った瞬間にエイミーから「デートはどうだったの?」と聞かれたときには「なんにも進展はないよ」と誤魔化した私だったんだけれど。
夕飯の時間も、入浴の時間も、思い浮かべるのは私のことを「守ってあげたい人」と言ってくれたルキの顔ばかりで。
エイミー曰く「ぼーっとしすぎ」との指摘を何度か受けたのちに「やっぱり今日ルキくんと何かあったんだ」と問い詰められてしまい…。
渋々ながらに「ルキに好きって言っちゃった」と語った途端に、エイミーが耳が割れるような声を発したというわけだ。
「ごめんごめんっ!だってメイベルが告白しただなんて、そんなことはじめてだからびっくりしちゃって‼」
「あぁ……うん、私も自分でも驚いてる。気付けば自然と口から出ちゃってたって感じだったから…」
「で⁉ルキくんはなんて言ったの⁉」
「えっと…私のことを、その……守ってあげたい人だって…」