へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


「ピピー?」



私のお腹の上に座り、小首を傾げているピーちゃんは「それは僕にもわからないよ」と答えてくれたかのようだった。



「いくらルキからつくられた魔獣でも、ご主人様の気持ちまで汲み取れたりはしないのかな」



ルキのことを考えれば考えるほど、胸がきりきりと締め付けられるように痛くなってくる。

こんな感情を誰かに抱いたのは生まれてはじめてのことだから、恋をすることがこんなにも息苦しいだなんて知らなかった。



「あーあ……人の心の声が聞き取れる魔法でも練習しようかなぁ…」



ルキの心の声が聞き取れたら、こうも頭を悩ませることなんてないのに。

と、そんなズルいことを考えながら、いつの間にか深い眠りに落ちていたようだった。



翌朝になり、いつもより早く登校準備を済ませた。



「え?もう学校行くの?だってまだ7時30分だよ?いつもより30分も早く行ってどうするの?」

「うん、ちょっとね…校長先生に用があってね。ルキのことを聞き込みした報告だよ」



校長先生にマーグレーンにルキのことを聞き込みにいった報告をしなければと思い、6時の起床時間よりも40分も早起きをしたのだ。



「そういえば、私もまだ調査結果を聞いてなかったなぁ」

「じゃあ学校から帰ったら教えてあげるよ」



洗面台に向かって、今朝は珍しく寝癖だらけのショートボブをクシで梳かすエイミーに「じゃあまた学校でね」と、手を振りながら部屋を出た。

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