へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「ルキって本当に凄い魔法使いだね……」
フォルスティア学園……いや、世界一魔力が高くて魔法の扱いが上手なのは、校長先生だって思っていたけれど。
もしかするとルキは……校長先生と並ぶくらい、もしくはそれ以上の実力者だったり?
「へぇ……ここがメイベルの通う魔法学校かぁ。どんな所だろう?」
「ちょっ、待ってよルキっ!」
興味津々な様子で辺りに目を配らせながら、校門をくぐり抜けるルキの背中を慌てて追いかけた。
「まるで城のように大きい学校だなぁ。世界中の魔法使いの子供が、ここに集まっているんだね?」
校舎に向かって、一面に広がった青々とした芝生の中をルキと並んで歩く。
「そうだよ。って言っても、魔力を持つ人間はほんのひと握りだからね。この学校には6歳〜18歳までの人が通えるんだけど、それでも200人ほどしかいないんだよ」
「世界中から集められて200人か。じゃあメイベルは、貴重な人材ってことか」
「それはあなたも同じでしょ?ルキ」
隣を歩くルキに笑いかけると、そうだったなんて言いながら、ルキもまた目を細め優しい笑顔を返してくれた。