へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
「私にこんな力があったなんて……」
目が眩むほどの閃光を放ち続ける身体。
この白い光には、あらゆる魔法を打ち消す力があるんだ。
これはきっと特別な魔法。
あらゆる魔法を無効化するなんて魔法、見たこともなければ聞いたこともないから、きっとパパとママが授けてくれた力なのかも。
ゼロに近い魔力があっという間に回復したことも、パパとママが咄嗟に私を守ってくれたのだと思った。
「あれ……ルキ?」
光り輝く身体から目を離したとき、レックスさんに首を掴まれていたルキの姿がこつ然と消えていた。
キョロキョロあたりを見渡しているレックスさんも「白龍がいない⁉」と、ほんの5秒ほど目を離したすきに消えてしまったルキを探している。
はっと振り返れば、いつの間にかピーちゃんの姿もなくなっていた。
「なんで……?どういうことなの?」
私の身体から光が消えた。
荒れ果てた森で、呆然と見つめ合う私とレックスさん。
もしかして私が、ルキとピーちゃんを消してしまった?
私がつかったこの力が、あらゆる魔法を消し去る力だとするのなら。
ルキとピーちゃんは、魔力でつくられた魔獣。
そう、ルキとピーちゃんは創作魔法でつくられた魔獣なんだ。