へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
隣に立つルキを見上げる。
同じタイミングで顔を向けたルキと、視線が絡み合った。
まるで木漏れ日みたいに、淡く優しく、きらきらとした光のような笑顔。
一点の曇りもない笑顔が、あまりにも綺麗だったから思わず見惚れてしまった。
「うん、ありがとうメイベル」
「……うっ、うん!遠慮なく頼ってねっ!」
ルキに声をかけられハッと我に返った私は、熱くなりはじめた顔を慌てて背けた。
「あっ……カサエル先生」
会話が途切れてしまった私とルキの元へ、授業を途中で抜けてきたのかカサエル先生が、黒いマントをなびかせながらやって来た。
「校長先生から教室に電話があってな、話しは全て聞いたぞ。我が校へ入学が許されたようだな。記憶喪失の少年、ルキ・ヴィクトル」
ルキはカサエル先生に向かって、丁寧に頭を下げた。
「これからよろしくお願いします」
「ふむ、いいだろう。私はカサエルだ。ではヴィクトル、私に着いてきなさい。学校のことをいろいろと話さなければならん」