へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする
そんな横暴な性格のライザだけど、容姿だけはいいから実はモテ男だったりする。
短い黒髪が爽やかで素敵だとか、切れ長の二重とつりあがった眉が男らしいだとか。
背も高く180センチくらいあってスタイルもいいし、エイミーから『ライザには隠れファンがいる』って聞いたこともあるくらいだ。
……いや、今はライザの外見なんてどうでもいいか。
ライザが銀髪の男を見たと発言したせいで、クラスメイトたちにどよめきが広がっている。
「銀髪の男⁉誰、まさか転校生とか⁉」
その中でも人一倍、きらきらと瞳を輝かせているのはエイミーだった。
エイミーに続けと言わんばかりにクラスメイトの女子たちが、
「ねぇねぇライザ、その人は銀髪ってこと以外にどんな人だったの⁉」
「カサエル先生と一緒ってことは、私たちと同じ1年生なのかな⁉」
ライザを取り囲み口々に騒ぎはじめた。
「うちのクラスに転校生が来るのかぁ。そんなこと初めてだなぁ」
「もしかして、もうすぐカサエル先生と一緒に来るんじゃないのか?」
男子たちもライザの周りに集まって、あれやこれやと憶測を飛び交わせている。
私はまさにその転校生と友達なんだって、言わない方がいいのかな。
いや、言わない方がいいに決まってる。
だってルキ自身のことや、ルキと私の関係なんかを、質問攻めにされたくはないから。