へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする


ライザを中心とした、一部のクラスメイトたちはルキの話題で盛りあがっている。

私はそんなクラスメイトたちから目を背け、自習をしようと、分厚い『魔法』の教科書を机から取り出した。



「……ん?蝶々……?」



教科書をぱらぱら眺めていると、窓の隙間から一匹の白い蝶々が教室内に入ってきた。

しかしよくよく見てみると、ペンを握る手元を通過したのは蝶々ではなかった。



なに……あれ?

蝶々みたいだけれど、何か違和感があると思ったら、羽をはためかせながら飛んでいたソレは。

なんと、折り紙だったのだ。



折り紙でできた蝶々は羽ばたきながら、真っ直ぐにライザの元へ飛んでいく。



……ライザのやつ、もしかしてまた何か魔法を使ったのかな。

緊急時を覗いて、校内で魔法を使うことは校則違反だっていうのに。



折り紙で出来た蝶々がライザの肩に止まった瞬間、魔法を使ったのではないかという疑いが、確信へと変わった。



「そろそろカサエル先生が戻って来るんだってよ。ほらお前らもさっさと席につけよっ」



慌ただしく席に着くライザはきっと、折り紙でできた蝶々を見張りとして使っていた?

いったいどんな魔法を使えば、そんなことができるの?

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