告白はキミの背中に

ずるい、ずるいよ嶋田は。なんで今、振り向くの。あんなの顔に〝すき〟って書いてあるようなものじゃないか。


だけど、気づかないでと思っていたはずなのに、嶋田が振り向いたとき私は嬉しいと感じてしまった。もういいや、と思ってしまった。



私を心配しているのだろうか、ちらちらと後ろを気にする背中にトンと人差し指を置く。


そして、ごまかしなんて効かないように、力を込めて大きく大きく震える指を滑らした。



『 ス キ 』



嶋田の肩がびくりと揺れる。今、私の気持ちは疑いから確信に変わったんだろう。


振られることはもうわかっている。嶋田は私のことをそんな風に見ていない。だから私に告白なんてさせたくなかったんだ。



「ごめんね、嶋田。 ーーでも、すき」
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