告白はキミの背中に
▫︎

「おい、三崎」

「やだやだ!こないで!」

「こないでって、おまえなあ」



告白って勢いでするものなんだと思う。もうどうなったっていいってつもりで告白したけど、今になってすごく恥ずかしいし、嶋田とこれから一緒にいられないんだろうなって考えると泣きたくなる。


だから私は、あの後すぐにいたたまれなくなって「お腹が痛いです」なんて言って保健室に逃げ込んだ。


嶋田はもちろん追いかけてなんてこなかったから複雑な気持ちになりながらも安心していたのに、放課後に昇降口で待ち伏せなんて、今からこっぴどく振るつもりに違いない。



「なに、振りにきたの⁉︎」

「まあそうだな」

「なんなの、ほんと容赦ない……」



泣きそうだ。今なら泣いていいかもしれない。


嶋田と鉢合わせるのが怖くて随分長く保健室にいたから、ここには私たち以外に誰もいない。静かな空間に、野球部の掛け声がよく響く。


口火を切ったのは嶋田だった。
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