告白はキミの背中に
どうやら嶋田もただの人間だったらしい。 だけど、それはそれで色っぽくてずるいなあと思う。
「(……すき)」
机に突っ伏して目線だけをその背中に向ける。
いつも気だるげな背中が、少し丸まって余計にだるそうな雰囲気をかもし出している。眠いのかもしれない。
「(シャキッとしろ、嶋田)」
人にそんなことを言えないような体勢でカツを入れてみる。だけど、口にしているわけでもないそれが届くはずもない。
嶋田の背中は丸まったままだ。
「(……だいすきだ、ばーか)」
もう何度めかわからない告白を目の前の背中にぶつける。
当然、返事なんてない。それでいい。
気づかなくていい。振り向かなくていい。こんなの告白と言えるかもわからないけど、私はこうするしか気持ちを抑える方法を知らない。
「……おい、三崎! 三崎なお!」
「っえ⁉︎」
はっとして周りを見渡せば、クラスのみんながクスクスと笑いながら私を見ていた。先生からご指名がかかっていたらしい。