告白はキミの背中に
▫︎

「アイスおごって」



昼休みを知らせるチャイムが鳴り終わると同時に、嶋田が体だけ私のほうを向く。これはいつものこと。



「レディーにたかって恥ずかしくない?」

「レディー?どこ?」

「ハーイここでーす、嶋田くんの目の前でえーす」



大きく手をあげれば、嶋田がフッとバカにしたように笑う。



「おっさんの間違い」

「シバク、嶋田シバク」



嶋田と私は中学の時からの仲だ。小学校も同じだったけどほとんど関わりはなく、中2のときに初めて同じクラスになって意気投合した。


もともと女子の輪に入るのが苦手だった私は、いつの間にかクラスの女子とよりも嶋田と一緒にいることが多くなり、そう時間をかけることなく嶋田と〝親友〟になってしまった。


学力も同じくらいだし高校もいっしょに行っちゃうかーってことで、高2現在、嶋田との親友歴は今年で4年目。


……というのが、表向きのアレ。



「そういえばさ。俺、昨日一人で帰ったじゃん?」
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