告白はキミの背中に
私の机の上でお弁当を広げながら、嶋田が思い出したように言う。アイスは諦めたらしい。
「そしたら駅前で他校の女子に捕まって」
「……ほう」
「いつもいっしょにいる子は彼女ですか?って聞かれたんだけど。 それ間違いなく三崎のことじゃん?」
「あー、……また?」
「そう、また」
もう何度も聞いてきたようなその話に重たいため息がこぼれる。 いっしょにいて彼女だと勘違いされることに舞い上がっていたのも最初のうちだけ。
この次にくる言葉がはっきりとわかってしまっているから、期待なんてしない。嬉しくなんかない。
「俺と三崎が付き合うなんて、死んでもありえないのにな」
うかがうように視線だけを向けた嶋田に、私は無理やり口角をつり上げた。
「ありえない、死んでも!」
その言葉に嶋田は「だよなー」と安心したように笑う。
「俺らだもんなー」
「……うん!」
「俺も三崎もお互いそんな目で見れるわけないよなあ」