【短編】先生が見上げた空には。
「美咲。ちょっと」
そんなある日英語の授業の後、先生に呼ばれた。
嫌だけど、先生は教室のドアのところで手招きしてるし、無視するとみんなに変に思われる。
私は仕方なく先生の元へ行った。
「…なんですか」
先生は私を廊下に出すと、ブッと笑った。
「なんですか、はねぇだろ。お前が敬語とかおかしーんじゃねーの」
「生徒が先生に敬語使うのは当たり前ですから!」
強く答える私を見て、先生は小さくため息をついた。
「俺なんかした?この前から変じゃねー?廊下で会ってもスルーだし、上にはこねーし」
「私が行くと嫌がってたじゃないですか」
「別に…嫌じゃねーよ」
思いがけない言葉に驚く。
「あんなにしょっちゅー来てたのに、急に来なくなるとか、気になんだろーがよ」
気になる?先生が私のことを?