【短編】先生が見上げた空には。
「そうだったんだ…」
「だから空見てたら佳織と会話ができる気がしてた。ここは学校の中で一番空に近い場所だろ」
そうか、だからいつも屋上にいたんだ…
寂しそうに空を見ているのは、佳織さんのことを思っていたから。
「ご、ごめんなさい。私知らなくて…ズケズケと入ってしまって…」
普通ならウザがられるし、嫌われて当然だ。
「あー。最初はめんどくせぇ生徒だと思ってたけど」
やっぱり…
「いなきゃいないで寂しかった」
「え!?」
「いつの間にかこの場所はお前との思い出ででいっぱいになってたな」
笑いながら私の頭をポンポンする。