【短編】先生が見上げた空には。
「そんなこと言ったら…私また来ちゃうよ?」
「いんじゃねー?」
「佳織さんとの仲邪魔しちゃうよ?」
「プッ。あいつも笑って見てると思う」
「好きでいて…いいの?」
「うん。正直さ、この5年間誰とも付き合う気がなくて。佳織に対する罪悪感とかじゃなくて、俺が恋愛できなかった。でも、そろそろ前向かなきゃヤベーなって、俺自身も感じてんだよ」
「うん…佳織さんのこと思ってる先生でもいい。少しでも私のこと見てくれるなら…」
「わかった。見るからちゃんと」
「あの…佳織さんに聞いてもいい?」
「え?」
私は空に向かって叫んだ。
「佳織さん!先生のこと、任せてください!佳織さんの分も絶対幸せにしますから!」
先生は驚いていたが、すぐに爆笑した。