【短編】先生が見上げた空には。
「学生の頃はどんな生徒だったのか…どうして先生になったのかとか」
ブッと先生が吹き出す。
「それ聞いてどーすんだよ?」
「い、いーじゃん!」
「はぁ。俺の貴重な休憩時間が…」
「今は友達としゃべってるとでも思ってよ!」
呆れたように笑う先生。
ふたりっきりでゆっくり話せる時間は今しかない。
「友達ねぇ~」
「ね!?いーでしょ、教えてよ!」
「まぁ、お前口硬そうだしな。英語の成績も良いし」
「うんうん!私口硬いよ!英語だって頑張ってるし!」
先生のおかげで英語の成績は本当に上がった。
「俺、10代の頃は結構荒れてたよ。ほんと無能なガキだった」
「荒れてたって…ヤンキーとか?」
「まぁな、見えねーべ?」
「見える…」
ぐしゃっと思いっきり頭を触られてドキッとする。