【短編】先生が見上げた空には。
教室に戻るまでの間、先生の優しい顔が浮かんできてイヤになった。
先生をあんな顔にするのは『家庭教師の元カノ』だけなんだ。
先生の心の中にはいつもあの人がいる。
私の入る余地などない。
現実を突きつけられ、苦しくなった。
私は生徒で、あの人は先生。
わかってはいたけど、夢見ていた。
先生の隣でずっと笑っていたいって。
いつか『好きだ』と伝えたいって。
でも、もう無理みたいだ。