【短編】先生が見上げた空には。
先生の隣で。
あの日から、屋上に行くのをやめた。
教室の窓から屋上にいる先生の姿やタバコの煙が見えても、私の足は先生のことを追うことはなかった。
追っても辛いだけ。先生には忘れられない人がいるんだから諦めなきゃ。
そう自分に言い聞かせていた。
でも、英語の授業の時は先生と会わなきゃいけない。
先生と目が合いそうな時は、わざと視線を逸らした。
少し前の私には考えられないことをしている。
でも、そうでもしなきゃ、先生のことが忘れられないし辛いんだもん。