はたらかなくても、はたらいても君が好き
「はい!! ありますか?」
「あったら、どうなの?」
「あるんですか?」
「ないけど、それがどうしたのよ!!!」
「ないんですか?」
「うん。ないけど!!! だからそれがどう…」
「本当にないんですね?」
「うん。本当にないわよ!!!だから…」
「遠峰部長、ありがとうございます!!!
書類、人事部に届けて来ます!!!」
「ちょっ…馬場!!!」
2つ目の『女癖が悪い』が違うとなると…
「3つ目か…」
そっかぁ…。
「馬場!!!」
「はい!!!」
「こっちに来て!!!」
人事部に書類を届けて戻ってくると、すぐ遠峰部長に呼ばれた。
「何でしょうか?」
「さっきの質問は何?」
「質問?」
「社長は“女癖が悪いのか”っていう質問よ!!!」
「ああっ!! あの質問…」
「何でそんな質問を私にしたの?」
「身近な人で増月社長と関わりが多そうな人って考えたら、遠峰部長だったので」
「確かに部長だから、仕事や会食で社長と関わってるけど…」
「はい!! だから遠峰部長に質問したんです!!!」
「うん。分かった。
じゃあ、何であの質問?」
「あの質問?」
「だから、社長の女癖が悪…」
プルルルル…。
遠峰部長のデスクの電話が鳴る。
ガチャッ。


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