高嶺の花君(はなぎみ)
「うん、今年の向日葵も綺麗だ」
私の隣りで足を止めると、先生は大きく咲いた向日葵に顔を近付けて言う。
散水ホースを胸元でギュッと握る。
何か話したいのに、緊張し過ぎて「あ…」とか「えっと…」としか言葉が出てこない。
「お前ら、もっと日浴びて大きくなれよ」
指先で優しく花びらに触れながら、眩しいぐらいの笑顔で向日葵に話し掛ける先生。
胸がきゅんっと跳ね上がる。
先生の笑顔を隣りで見られるなんて幸せなはずなのに、堪らなく苦しくて泣きそうになるのはなぜだろう。
私が先生を好きになったのは去年の夏。
当時、部員が五人しかいない園芸部に入り、ここで花の手入れをしてる時だった。
今みたいに声を掛けられた。
『綺麗だな』って向日葵のように笑う先生の横顔に一目惚れだった。
私の隣りで足を止めると、先生は大きく咲いた向日葵に顔を近付けて言う。
散水ホースを胸元でギュッと握る。
何か話したいのに、緊張し過ぎて「あ…」とか「えっと…」としか言葉が出てこない。
「お前ら、もっと日浴びて大きくなれよ」
指先で優しく花びらに触れながら、眩しいぐらいの笑顔で向日葵に話し掛ける先生。
胸がきゅんっと跳ね上がる。
先生の笑顔を隣りで見られるなんて幸せなはずなのに、堪らなく苦しくて泣きそうになるのはなぜだろう。
私が先生を好きになったのは去年の夏。
当時、部員が五人しかいない園芸部に入り、ここで花の手入れをしてる時だった。
今みたいに声を掛けられた。
『綺麗だな』って向日葵のように笑う先生の横顔に一目惚れだった。