短編:雨上がりの虹を見るために
 今日の天気は雨。これから降ってくるんだろうな。

 開けっ放しの窓からは冷たい風が吹き込んで、真っ白なカーテンを悪戯に弄ぶ。


 まるで私みたいだ。


 恋と、先輩に翻弄されて、自分を見失ったみっともない小娘だ。


「紗綾……?」


 急に聞きなれた声がした。幼馴染みの親友の声が。
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