短編:雨上がりの虹を見るために
「落ち着いたか?」

「……うん」

 多分、目は真っ赤なんだろう。泣き晴らした跡が残ったままだろうな。


 信は、泣き止んだ私を放す。それがやけにスローモーションに見えた。


 あれ、なんで私は信に負けたくないんだろう?


 不意に疑問が頭のなかを巡った。それと一緒に、小さい頃からの思い出も次々と思い出されていく。
< 5 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop