【BL】お荷物くんの奮闘記
「信用ねえな、店開いてるとこだって少ねえのにオレがこの時間からどこ行くっていうんだよ」
「ユウジ、おれと最初に会った時のこと覚えてる?」
「オレが小四くらいの頃におまえが引っ越してきたんだったよな」
その頃、四年生から六年生までは地区ごとに近所の一年生の登下校に付き合ってやるという集団登下校の登校班があった。学校までの片道徒歩二十分の距離で、自己紹介をしあったのが最初のはずだ。
「ううん。もっと前に、……覚えてないかもしれないけど、おれその頃色々あって落ち込んでて、ユウジに励ましてもらったのが嬉しくて、もう一回会うために、ユウジのところに来たんだ」
もっと前、なんてリュータは五歳未満だ。彼の言う「前」が、天使だった頃の話なのだろうと勘付いてしまう。
「……リュータ、おまえは」
「きっとユウジが思ってる通りだよ。おれは人間じゃない」
それだけで、何かの間違いだとか、異世界トリップで天使化する能力を得ただけだとか、楽観的な推測は全て否定されてしまった。彼が本来属する世界が、どちらなのかも。
「ユウジ、おれと最初に会った時のこと覚えてる?」
「オレが小四くらいの頃におまえが引っ越してきたんだったよな」
その頃、四年生から六年生までは地区ごとに近所の一年生の登下校に付き合ってやるという集団登下校の登校班があった。学校までの片道徒歩二十分の距離で、自己紹介をしあったのが最初のはずだ。
「ううん。もっと前に、……覚えてないかもしれないけど、おれその頃色々あって落ち込んでて、ユウジに励ましてもらったのが嬉しくて、もう一回会うために、ユウジのところに来たんだ」
もっと前、なんてリュータは五歳未満だ。彼の言う「前」が、天使だった頃の話なのだろうと勘付いてしまう。
「……リュータ、おまえは」
「きっとユウジが思ってる通りだよ。おれは人間じゃない」
それだけで、何かの間違いだとか、異世界トリップで天使化する能力を得ただけだとか、楽観的な推測は全て否定されてしまった。彼が本来属する世界が、どちらなのかも。