【BL】お荷物くんの奮闘記
中央都市から少し郊外になる森を進みながら、いつになく自分は絶好調だった。
ここまでで師匠に教わった攻撃魔法を使い、出てくる魔物を自分の力で倒すという本来であれば序盤で経験できたであろうRPGの醍醐味をようやく経験できたのである。
武器は何を選んでも装備不可、魔法も戦闘に使えそうなものを習得していないという状態が長らく続いていたが、やっとこさスタート地点だ。
「くうーっ! 自分でレベル上げできる快感! RPGはやっぱこうじゃねえとな!」
念じても呪文を叫んでも火の玉ひとつ出てきやしなかったあの頃が遠い昔のようだ。同行しているヴェルターにもリュータにも出番を与えず、一人で敵を倒せている事実がまた気持ちがいい。
「ユウジ、無茶はだめだよ」
「全然平気だって! 今のなんて圧縮して威力上げてるだけだから初級程度の魔力しか消費してねえぜ」
「でも……」
「心配しすぎだ、オレがもしへばってもおまえもいるし、平気平気」
案内はヴェルターに任せ、自分はスマホのフィールドマップさえ開いていない。順調にレベルアップして、今では自分もレベル三十だ。
MP値も増え、全快の状態であれば蘇生魔法一発だけなら全MPと引き換えに発動できるようになった。そしてMP回復薬は大量に買い込んでいる。
ひとまず自分が戦闘で即死さえしなければ、当面彼の命の危険は無くなったわけだ。心配する要素が減ったことで、さらに調子に乗っている。自覚してはいるが、少しくらい羽目を外させてもらってもいいだろう。
ここまでで師匠に教わった攻撃魔法を使い、出てくる魔物を自分の力で倒すという本来であれば序盤で経験できたであろうRPGの醍醐味をようやく経験できたのである。
武器は何を選んでも装備不可、魔法も戦闘に使えそうなものを習得していないという状態が長らく続いていたが、やっとこさスタート地点だ。
「くうーっ! 自分でレベル上げできる快感! RPGはやっぱこうじゃねえとな!」
念じても呪文を叫んでも火の玉ひとつ出てきやしなかったあの頃が遠い昔のようだ。同行しているヴェルターにもリュータにも出番を与えず、一人で敵を倒せている事実がまた気持ちがいい。
「ユウジ、無茶はだめだよ」
「全然平気だって! 今のなんて圧縮して威力上げてるだけだから初級程度の魔力しか消費してねえぜ」
「でも……」
「心配しすぎだ、オレがもしへばってもおまえもいるし、平気平気」
案内はヴェルターに任せ、自分はスマホのフィールドマップさえ開いていない。順調にレベルアップして、今では自分もレベル三十だ。
MP値も増え、全快の状態であれば蘇生魔法一発だけなら全MPと引き換えに発動できるようになった。そしてMP回復薬は大量に買い込んでいる。
ひとまず自分が戦闘で即死さえしなければ、当面彼の命の危険は無くなったわけだ。心配する要素が減ったことで、さらに調子に乗っている。自覚してはいるが、少しくらい羽目を外させてもらってもいいだろう。