【BL】お荷物くんの奮闘記
「つまり、今のところ敵じゃないけどおれたちの今後の行動によっては敵になるかもしれないってこと?」
聞いた話をゆっくり咀嚼しながら、リュータが首を傾げた。
「そうなる。もっとも、今回の件が片付くまでは敵対はしないが」
「なんで?」
「取引を持ち掛けられているからな」
「誰に……」
「あー、あはは、まあいいじゃねえか。それよりヴェルター、目的地まで行ったらどうするんだ? まさか正面から乗り込むわけにもいかねえだろ。部下達はどこで待機してんの?」
「内部に侵入させている者が数名いる。他は周辺だ」
彼の仕事を手伝うという名目で同行していることもあって、仕事の内容は一通り聞いている。
反社会組織と呼んでいる連中は、いわゆる指を詰めたりパイナップルを投げたりしているような団体ではなく、典型的な怪しい宗教団体なのだそうだ。
もっとも、信仰対象は神ではない。彼らが崇めるのは特定の『大賢者』であり、過去実在した人物を指すらしい。
勝手に崇めている分には放っておいても問題ないのだが、大賢者を名乗る人物や、大賢者だと持て囃される魔法使いが噂になると必ず顔を出して対象を拉致し、神を名乗るなとばかりに危害を加えるたちの悪い信者なのだという。
聞いた話をゆっくり咀嚼しながら、リュータが首を傾げた。
「そうなる。もっとも、今回の件が片付くまでは敵対はしないが」
「なんで?」
「取引を持ち掛けられているからな」
「誰に……」
「あー、あはは、まあいいじゃねえか。それよりヴェルター、目的地まで行ったらどうするんだ? まさか正面から乗り込むわけにもいかねえだろ。部下達はどこで待機してんの?」
「内部に侵入させている者が数名いる。他は周辺だ」
彼の仕事を手伝うという名目で同行していることもあって、仕事の内容は一通り聞いている。
反社会組織と呼んでいる連中は、いわゆる指を詰めたりパイナップルを投げたりしているような団体ではなく、典型的な怪しい宗教団体なのだそうだ。
もっとも、信仰対象は神ではない。彼らが崇めるのは特定の『大賢者』であり、過去実在した人物を指すらしい。
勝手に崇めている分には放っておいても問題ないのだが、大賢者を名乗る人物や、大賢者だと持て囃される魔法使いが噂になると必ず顔を出して対象を拉致し、神を名乗るなとばかりに危害を加えるたちの悪い信者なのだという。