【BL】お荷物くんの奮闘記
 端的に言えばテロリストまがいの連中を迷惑だから全員捕まえろ、みたいな内容である。


「侵入させている部下から拠点に入りやすいルートの報告があるまでは待つことになるが、中に入ってからは幹部を押さえて……あとは烏合の衆だ。この戦力なら問題ないだろう」


「この戦力って?」


 リュータ本人だけが何も分かっていないらしい。リュータのことも頭数にしっかり入っているようだ。地位も実力も高く私設部隊をまとめるヴェルターでさえ、ステータスガジェット上のレベルは六十一。

リュータの飛びぬけて高いレベルはそれだけで一騎当千と言っていい戦力であることが分かる。先日の中央都市での一部始終を見ているヴェルターからすれば、それ以上に考えているかもしれない。


 レベル一からレベル二十三まではすんなり上がったような気がしていたが、それは最初にリュータの手によって二周目向け裏ボス――骨の飛竜を倒していたからだ。

あの時の取得経験値が高すぎたおかげで二十三まではあっさりレベルアップし、レベル上げがそう難しいものではないと勘違いしてしまった。実際に自分で戦ってみれば、レベルをひとつ上げるだけでもかなりの戦闘または高レベル帯の魔物を討伐する必要があったのが分かる。

この世界で修行の旅をしていても、数ヶ月で十五レベル上げるのが関の山だろう。
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