【BL】お荷物くんの奮闘記
「あっ、ところでさ、何かさっきから景色が変わんねえんだけど……妙じゃないか?」
「道は間違っていないはずだが」
気のせいならいいのだが、先ほどから周囲の木々の並びが延々ループしているように感じる。
スマホの画面を再びつけて、フィールドマップを表示する。隣を歩くヴェルターにマップ画面を見せたが、歩いている方向は問題ないようだ。
念のためスマホを見ながら再び進む。フィールドマップは歩いていれば基本的に八十歩あたり一ピクセル程度現在位置マークが動くのだが、歩いても歩いても位置マークに変動が無い。
「……ちょっと待てよ。マップの現在位置マーク、進んでなくないか」
「え?」
一歩前を歩いていたリュータが、振り返ってこちらの手元を覗き込んでくる。これは俗に言う、迷いの森とかいうやつだろうか。
「なあヴェルター、一応聞くけどここ、一度入ったら出られない森とかじゃないよな?」
「ごく普通の小さな森だ。ここで迷った旅人の話など聞いたこともない」
ということは、森に仕掛けがあるのではなく。
「……敵の罠、とか?」
スマホの画面から顔を上げて、二人にその可能性を伝え、ようとして、できなかった。
「うわ、マジか」
すぐ近くにいたはずのリュータもヴェルターも、忽然と姿を消していたのだ。
「道は間違っていないはずだが」
気のせいならいいのだが、先ほどから周囲の木々の並びが延々ループしているように感じる。
スマホの画面を再びつけて、フィールドマップを表示する。隣を歩くヴェルターにマップ画面を見せたが、歩いている方向は問題ないようだ。
念のためスマホを見ながら再び進む。フィールドマップは歩いていれば基本的に八十歩あたり一ピクセル程度現在位置マークが動くのだが、歩いても歩いても位置マークに変動が無い。
「……ちょっと待てよ。マップの現在位置マーク、進んでなくないか」
「え?」
一歩前を歩いていたリュータが、振り返ってこちらの手元を覗き込んでくる。これは俗に言う、迷いの森とかいうやつだろうか。
「なあヴェルター、一応聞くけどここ、一度入ったら出られない森とかじゃないよな?」
「ごく普通の小さな森だ。ここで迷った旅人の話など聞いたこともない」
ということは、森に仕掛けがあるのではなく。
「……敵の罠、とか?」
スマホの画面から顔を上げて、二人にその可能性を伝え、ようとして、できなかった。
「うわ、マジか」
すぐ近くにいたはずのリュータもヴェルターも、忽然と姿を消していたのだ。