【BL】お荷物くんの奮闘記
「バレたか」


「バレるわ」


「察しのいい弟子だな」


「舌打ちした今」


 ここまでくると流石に、何故自分が仲間たちから隔離されたのかの見当もついてしまう。今まで師匠から習ってきた魔法のうち、スマホのステータスガジェットに表示されない魔法はほぼすべて師匠のオリジナル――ゲームでいうところの裏コマンドだったというわけだ。


 敵が本当に師匠のことを大賢者として信仰しているのだとしたら、師匠の編み出したオリジナルスペルのことなど把握済みだろう。そうと知らずにオリジナルスペルを堂々と使いまくる自分。リュータの蘇生にあたり、中央都市でも使った覚えがある。いつどこで見られていてもおかしくない。


 言っておいてくれよせめてその辺の事情。実際に魔法を教えてほしいと頼んだのは自分だが、そこは棚に上げておく。


「つまり、オレは師匠本人だと勘違いされてるか、師匠の秘伝の技を盗んだ似非大賢者だと思われているってとこか……」


「だろうな。まあ頑張れ」


「いっそ師匠が出てって説得してくれよ、あっちからすりゃ神様じゃん」
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