【BL】お荷物くんの奮闘記
ずいぶん長い旅になってしまった。スマホの日付が一向に変わらないものだから、こちらの世界へ来てから何日が経過したのかも正確には分からないが、一ヶ月は確実に過ぎている。
最初にスマホのマップ機能を知らず、ダンジョン内をカメラ機能で撮影しながらマッピングをしていったこともあった。二週目向けのような隠しボスをリュータがあっという間に倒してしまって驚いたが、彼が本当に周回プレイヤーだったことを思うとあの結果は当然のことだろう。
あれこれ考え始めてしまうとなかなか睡魔がやってこない。意図的に何も考えないようにしていると、隣で寝ているリュータがもぞもぞと動いた。便所なら部屋を出て同じフロアにある。教えなくても分かるだろうと狸寝入りを決め込んで、
……ふと、唇に何かが触れた。
吐息が鼻先を掠める。キスされた? 誰に。この場にいるのが彼だけであることに、鈍った思考がやっとたどり着く。
寝ぼけてんのかな。自分も半分意識を手放しかけていたからか、嫌悪感はない。ごめんね、とほとんど声になっていないリュータの言葉が耳に届いた。
「……好きだよ」
聞いてはいけないものを聞いてしまった、かもしれない。眠りかけていた頭は一気に覚醒するが、ここで身を起こしてしまったら面倒なことになりそうだ。
おまえ、「ユウ」のことそういう感情で、好きだったのか。オレ似てんのかな。……寝ぼけて間違えるくらい。
最初にスマホのマップ機能を知らず、ダンジョン内をカメラ機能で撮影しながらマッピングをしていったこともあった。二週目向けのような隠しボスをリュータがあっという間に倒してしまって驚いたが、彼が本当に周回プレイヤーだったことを思うとあの結果は当然のことだろう。
あれこれ考え始めてしまうとなかなか睡魔がやってこない。意図的に何も考えないようにしていると、隣で寝ているリュータがもぞもぞと動いた。便所なら部屋を出て同じフロアにある。教えなくても分かるだろうと狸寝入りを決め込んで、
……ふと、唇に何かが触れた。
吐息が鼻先を掠める。キスされた? 誰に。この場にいるのが彼だけであることに、鈍った思考がやっとたどり着く。
寝ぼけてんのかな。自分も半分意識を手放しかけていたからか、嫌悪感はない。ごめんね、とほとんど声になっていないリュータの言葉が耳に届いた。
「……好きだよ」
聞いてはいけないものを聞いてしまった、かもしれない。眠りかけていた頭は一気に覚醒するが、ここで身を起こしてしまったら面倒なことになりそうだ。
おまえ、「ユウ」のことそういう感情で、好きだったのか。オレ似てんのかな。……寝ぼけて間違えるくらい。